Written by 宍戸竜二 オフィシャルサイト

世界の村上隆が僕に伝えてくれた、人生を変えた言葉
【vol.7】

メールマガジンアーカイブ

こんにちは、

宍戸です。

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「絵というのはな、

自分の苦しかったことや楽しかったこと、

自分の心の中にあるものを描くものなんだ!

こんちくしょうめっ!」

20年近く前、村上隆さんは、

僕にこんな言葉をくれました。

注:文末の「こんちくしょうめっ!」は、

臨場感を出すための演出です。

その言葉は、僕のイラストレーターとしての

人生を変える大きなきっかけになり、

そして自分の心の中に興味を持つようになった。

=====

20代の終わり、

オートバイレースの世界から足を洗い、

鈴木英人さんに憧れ、

とにかく真似をして絵を描いていた。

イラストレーターという言葉すら

知らなかった僕には、

雑誌「イラストレーション」の中で紹介される、

華々しいイラストレーターの世界は、

目を開けれないほど輝かしかった。

その誌面には、

スパンコールのごとくキラキラした、

まさに時代を象徴する

イラストレーターの方々が登場した。

ミーハーな自分は、

表現の最前線のイラストレーターの姿に、

一瞬で釘付けとなる。

そんなイラストレーターアイドルの

方々を見ながら、

世は、

どんなものがもてはやされているのか、

どんなものが人気なのか、

どんな描き方が人気なのか、

など、

外へ外へと気持ちは膨らみ、

生み出される作品は、

まるで人の心が通わない

形だけの作品ばかりだった気がする。

しかし冒頭の「村上隆」の言葉、は

注:その言葉は美しいけれど、

やり取りはまさにヤクザな場となる。汗

===

ある村上隆主さん主催のアートイベントの

懇親会での出来事。

その懇親会も半ばを過ぎた頃、

巨匠が端の席にポツンといるではないか。

ちゃ、チャンスだ!

これは話をするチャンスボールだ!

(そのあとの竜二に、

それが顔面へのアタックだとは、知る由も無い)

緊張と期待でと足を小鹿のように震わせながら

近づき、

「こここここ、座ってててててて」

と鶏が地面を走るような、

奇怪な音声で話しかけた。

ギロ…

そうあの鋭い眼光で睨まれたのです。

世界のアートを席巻する、あの眼差しです。

知っていますか?

村上隆さんは、めっちゃくちゃに本気で

おっかねえ人なんですよ。

「ひえー!」

足はさらにガクガク共振し、

地面を割る勢いで僕を後退させた。

しかし、何としても話したい!

勇気を出して椅子を引き、図々しくも座った。

===

し:「は、はずめますて、イイイイイ、

イラストレーター、ターターのススドです!」

た:「何?」

こ、こわい!怖すぎる!

し:「こういうもので…」

その時唯一見せれる自分の絵は、

名刺の裏のものだけだった。

と、名刺を渡す。

「ふんっ」

とにらみ、そして、

「こんなの描いてて、何になるっ!」

と恫喝し、僕の名刺を投げ飛ばした。

ぎゃひん!!

その時どんな絵を見せたのか覚えていなのですが、

かなりひどかったのでしょう…。

その瞬間負け犬決定、はい決定!

その後、かくかくしかじかやり取りを

したのでしょう。

そして、冒頭のこの言葉をいただいた。

「絵というのはな、

自分の苦しかったことや楽しかったこと、

自分の心の中にあるものを描くものなんだ」

と。

僕はその瞬間、恐怖も何もかもが吹き飛び、

自分の苦しかったこと、楽しかったこと。

いったいどんなことがあったのだろうか…。

と視線は右斜め上を眺めた。

その瞬間が、

「自分の意識の向くベクトルが、

外から内に変わった瞬間だった」

そして、イラストレーターとして、

自分の生きる方向が定まった瞬間でもあった。

イラストレーターを目指そうと思ったとき、

そんな発想などひとかけらもなかった。

自分の心の中を見るなんて、

なんのこっちゃ。だったはずだ。

いつだって、嫌なことは他人のせいだった。

震えた僕の頭の中は、除夜の鐘のごとく、

ぼーんっ

ぼーーーんっ

と鳴り響き続けた。

===

それから、

自分の今までの人生の

走馬灯の棚卸が始まった。

多分死ぬ時にでもならないと

見ることもなかったであろう、

走馬灯のハードディスクを検証し始めた。

蓋を開けてみると、

もううじゃうじゃだった。

あれもこれも、

思い出すと涙の止まらないものばかりだった。

楽しいことも、悲しいことも。

よくこんな傷持って、生きてたなおれ。と。

それはまるで、麻酔の切れた唇のようだった。

「痛い、心が痛い…」

(歯医者で麻酔かかると、唇噛みたくならない?

麻酔が切れると地獄になるあれ。え、どれ?)

でもそのパンドラの箱のを開けられて、

本当に良かったんだと思う。

それから宍戸竜二の長い長い心の旅が始まった。

===

自分の過去の傷の一つは、

「父との想い」

だった。

父親が大好きだったのに、

家庭を捨ていなくなったことを、

ずいぶん恨んで生きてきた。

けれど、それは大好きだったからだったんだ。

アートを目指さなければ、

こんな悲惨な箱開けなかっただろう。

しかし、

その変えることのできない

過去の傷を見れたことは、

本当に大事なことだったと思う。

自分にとって、

イラストレーターを目指したのは、

必然だったのかもしれない。

それがあって、僕は自分の心の中に興味を持てた。

つまりそれは、

自分自身に興味を持てたことなんだと思う。

===

僕はそれから、

自分の心を見るように絵を描き出し、

そうするごとに、

仕事の依頼は増えていった。

そうして、イラストレーターとして

独立することができた。

人にはたくさんのターニングポイントが

あると思います。

あなたのターニングポイントは、

いったいどんなことでしょうか。

今度会った時にでも教えてくださいね。

それではまた。

宍戸竜二

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